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2017年07月26日
マンション投資の利回りの高さに興味があり、貯蓄の一部を頭金にしてローンで投資物件を購入することを検討しています。長期的に安定した副収入になるでしょうか。
超低金利で金融商品の利回りが低下しているなか、マンション投資を始める個人が増えている。頭金比率は1~2割、中には頭金なしで資金を借りて投資する例も多いという。住宅ローン仲介大手のアルヒによると、2016年度の投資用マンション向けローンの契約件数は前年度の2.7倍の4300件に達した。
マンション投資の成否のカギを握るのは物件選びだ。「物件による収益格差は広がる傾向」と不動産投資に詳しいコアプラス・アンド・アーキテクチャーズの玉川陽介氏。収益物件の条件としては「駅近」「工場や大学などが多く入居が見込める」「競合物件が少ない」などが候補になる。
ただし、物件選びがうまくいったとしても分散投資が難しい分、リスクは高い。投資家が得られる収益について見てみよう。
まずは家賃収入にあたるインカムゲイン。満室時家賃収入を物件購入価格で割って求める「表面利回り」は低下傾向だ。不動産情報サイトの健美家(東京・港)によると、同社に登録された投資用マンション1戸(区分所有)の今年4~6月期の価格は14年同期に比べて24%高い1550万円となり、表面利回りは7.06%と05年の調査開始以来、最低の値になった。
不動産業者は大抵、表面利回りを示して営業するが、実際に投資家が得られる利回りはもっと低い。都内の不動産投資家A氏(43)によると「不動産投資は修繕費や税金との戦い」。
実質利回りを求めるには満室時家賃収入から維持・修繕費、固定資産税などの経費を差し引き、さらに空室リスクも考慮しなくてはいけない。これを物件購入価格と取得時の経費の合計額で割る。
さくら事務所(東京・渋谷)の長嶋修会長によると「実質利回りは表面利回りよりおおむね3割低い」。想定以上に空室や家賃滞納があれば、さらに利回りは下がる。地方や郊外はいったん空室になると、次の入居者が決まるまで時間がかかりやすい。
次に物件を売却して得られるキャピタルゲインだ。長嶋氏は「日本は人口が減り、地価は下落傾向。物件の売却時は損失を覚悟したい」と言い切る。中長期的には物件価格は下がるという前提で収支計画を組み、運用中も物件の「時価」を随時チェックしたい。
個人が不動産投資をするなら不動産投資信託(REIT)という選択肢もある。少額単位で複数の不動産への分散投資が可能だ。「老後資金の形成が主目的なら、REITが本筋」(アイビー総研の関大介代表)という意見があることを覚えておこう。
(日本経済新聞Web刊より引用)