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2019年09月28日
■「利回り」は収益物件の収益性を図る指標
収益不動産のポータルサイトや不動産会社から紹介された資料には、物件の収益性を図る指標として「利回り」が必ず記載されています。
この利回りは、株式投資の配当利回りや他の投資の利回りとの比較にも使えます。
お金を増やすために不動産投資を行うわけですから、その収益物件がどのくらい儲かるかは重要な要素です。
その儲けを分かりやすく表す指標が利回りという訳です。
不動産投資には、表面利回りの他に実質利回りがあり、内容は大きく異なります。
■物件資料に掲載されているのは「表面利回り」
通常は、収益物件の資料に記載されている利回りは表面利回りが使用されています。
例えば、価格1,000万の物件の利回り10%というと、年間100万円の収入があることが分かります。
このように単純に収入を物件価格で割った場合の利回りを表面利回りと言います。
表面利回り = 年間収入 ÷ 物価価格 × 100
で計算することが出来ます。
■物件を検討する場合は「実質利回り」で見る
表面利回りは最初の段階では参考にしても良いですが、最終的に物件を購入する段階では賃貸経営に掛かる経費を計算する必要があります。
不動産投資では、年間の家賃収入がそのまま全て手に入るわけではなく、賃貸管理手数料や固定資産税、建物の清掃といったメンテナンス費用などの運営費が掛かります。
区分マンションだと管理費や修繕積立金も考えないといけません。
こういった運営費を収入から差し引き、残ったキャッシュフローを物件価格で割った場合の利回りを実質利回りと言います。
実質利回り = (年間収入 - 運営費) ÷ 物価価格 × 100
で計算することが出来ます。
例えば、利回り10%の1億円のアパートの購入を検討するとします。
年間収入は1,000万、実際に掛かる経費は収益の20%程度とすると、年間のキャッシュフローは800万になります。
表面利回りは10%ですが、実質利回りは8%となります。
不動産投資ではこの2%は非常に大きく、銀行で借り入れをする際に表面利回りで計算して返済計画を立ててしまうと、実際に運営を始めたらキャッシュがほとんど残らないといったことになります。
そのため、物件を購入する際には必ず実質利回りで計算する必要があります。
実質利回りが計算できるようになれば、不動産の収益構造を理解しやすくなります。
■実質利回りとリスクを考慮して物件を選ぼう
実質利回りをきちんと計算して物件を購入すれば、不動産投資で大きな失敗は減ります。
しかし、不動産投資においては、空室リスクや滞納リスク、長期間保有すると修繕リスクなど気を付けておかなければならないリスクが数多くあります。
そのため、厳しい目線で物件を見る必要があり、年間5%の空室率を入れたり、修繕の為の積立金を加えるとよりリアルな数字に近づいていきます。
そこまですると買える物件がなくなるのではと思われる方もいるかもしれませんが、不動産投資は大きなお金を動かす投資なので最初に失敗してしまうと大きな遠回りをすることになってしまいます。
不動産投資で失敗しないためにも、まずは実質利回りを理解してください。
(マネーの達人より引用)