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2014年02月08日
■不動産投資はギャンブルではない
昨年から、世間は「アベノミクス効果」だの「株価上昇」だのに加えて、「東京オリンピック開催」が重なり、好景気“ムード”になっています。となると当然不動産の動きも堅調で、地価・不動産価格も上昇傾向にあります。
「さあ今だ! 不動産を買おう!」
・・・と思っている方、ちょっと待ってください。
私は、今の不動産の値上がりは一時的な“ムード”による影響が大きいと思います。大企業が目標を上方修正し、いよいよ次は賃金上昇か、と盛り上がっている今の日本のムードが、不動産価格を押し上げているのです。でもムードとは一過性のもの。しばらく経てばその熱は冷めていくような気がします。
熱が冷めはじめると、ムードに支えられていた不動産価格も徐々に下がり始めます。今不動産を購入しても、近い将来値が下がってしまう可能性が大きいのです。
では、いつ買えばいいのか。
好景気ムードが過ぎ、不動産価格が下がりはじめると、今度はみなが売りに出すようになります。下がり調子がしばらく続いたとき・・・ そのときこそ「買いどき」。底値で買おうとしなくても、安値になったとき買えればいいのです。
不動産投資は、ギャンブルではありません。はじめるなら事前の研究や勉強は不可欠です。まわりの雰囲気やムードに流されず、「買いどき」を自分の目で見極めることができるかどうかによって、成功か否かの分かれ道となるのです。
■こだわるのは安定したキャッシュフロー
私の不動産投資の目的は、「買って売って利ざやを得る」ことではありません。毎月入る家賃収入によって、安定した収益を得ることです。私が「安定した収益」にこだわるのには、これまでの経験があるからです。
私が大学生のとき、不動産会社を経営していた父が病気になりました。経済的に不安定になり、先行きにとても不安を感じたものです。そのとき私は「病気や事故などいつ何が起こるかはわからない。自分に何かあったとしても、変わりなく安定した収入を得たい」と思ったのです。
その後、自分で会社(株式会社アミックス)を興しました。会社を経営して、安定した収入を得ようと考えたのですが、会社が大きくなればなるほど心配ごとは増えていく・・・。まったく安定した実感はありません。
そんな経験を重ねて、バブル崩壊後数年経った頃、これまで勉強を積み重ねた「個人での不動産投資」をはじめたいという思いを強くしていたのです。
■めぐりあいと個人的事情
あるとき、知り合いの方から「マンション1棟を売却したい」との依頼がありました。物件を紹介したオーナーさんも乗り気でしたので、そのままうまく商談がまとまるはずでした。ところが、思いがけずオーナーさんの病気が発覚。余命宣告までされる重病でしたので、マンションを買うどころではなくなってしまったのです。
さあそれではどうするか・・・ ほかに買い手を探そうかとも思ったのですが、その頃はまだバブル崩壊の後遺症が強く残っていました。よい物件だと思って勧めても「まだ下がるのではないか」と恐れる人が多く、すぐに買い手が見つかるかどうか・・・
でもそのマンションは、利回りがよく安定性もあります。“買い手を見つけるのが困難なら、自分で買ってみようか”
私の目的は転売での売却益ではなく、家賃収入による安定した収益です。たとえ不動産市場が悪くなって、やや値が下がったとしても、売るわけではないのですから実損はありません。まさにうってつけの物件だと思いました。それにその頃、私自身収入を殖やさなければならない個人的事情(離婚の慰謝料)もあったのです。
物件の価格は1億6千万円、私は、手元の資金3千万円のうち2千万円を頭金とし、銀行から1億4千万円を20年ローンで借り入れて購入することを決めました。私自身の不動産投資のはじまりでした。
こうしてはじめて購入したマンションは、当初からサブリースで管理しました。翌月、私のもとへ振り込まれたサブリース家賃は160万円。そのうち70万円は銀行へのローン返済に充てましたから、手残りは90万円。購入した翌月から、何もしないで月々90万円もの家賃収入を得ることができたわけです。
その物件を機に、私は本格的に不動産投資をはじめ、今では数十件の物件を所有しています。おかげで、無事慰謝料も支払うことができました。
■「利は仕入れにあり」
「不動産の良し悪し」と「投資の良し悪し」はまったく異なるものです。
「投資の良し悪し」とは、つぎ込んだお金(投資金)と受け取るお金(配当)の関係(利回り)で決まります。
たとえば都心の一等地に、お洒落で、だれもがうらやむような素敵なマンションがあるとします。「不動産の良し悪し」でいったら、良い不動産です。
でも、投資物件としてはどうでしょう。素敵なマンションは当然高額です。高額でしか購入できないのであれば、良い投資にはなりません。「投資の良し悪し」でいったら「悪し」なのです。
逆に、悪い立地や築古など問題のあるアパートがあるとしましょう。それでも安く買うことができれば、よい投資になる可能性は十分あるのです。安く買えれば、安い家賃設定でも十分に利益がでます。また、リフォームによって家賃を上げられる可能性もあります。
つまり「利は仕入れにあり」なのです。投資の鉄則は「安く買う」こと。底値じゃなくてもいいので、安い価格で買うこと。世間が下がり調子になっているときに買うのは勇気がいることです。でもその勇気のある人だけが成功しているのです。
私は、不動産価格が高めに推移している今は、買いどきではないと考えています。それでは今は何をすべきかというと、今は「売りどき」です。収益を生まない不動産や不要な不動産は、今こそ売却の絶好のチャンスです。思い切って売却されることをお勧めします。
(HOME'S 不動産投資コラムより引用)