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2013年10月02日

消費増税 景気リスク浮上なら追加緩和も

消費税増税が決定したことで、日銀が4月に導入した異次元の金融緩和が抱えていた「不安材料」が1つ払拭された。日銀は大量の国債を購入し、住宅ローン金利などの基準となる長期金利を低く抑えることを目指すが、増税が見送られ財政再建への信頼が揺らげば長期金利が急騰するリスクがあったからだ。一方、新興国経済の減速などの海外リスクが、大型経済対策で下支えする国内景気に変調を引き起こせば、日銀は追加緩和など新たな対応を迫られる可能性もある。

日銀は、異次元緩和の効果で2年で2%の物価上昇を目指している。長期金利を低水準に抑えることで、企業や個人が資金を低い金利で借りやすくするとともに、利回りの高い株式や不動産投資信託などリスク資産への投資を促すことで経済を活性化し、脱デフレを実現するシナリオだ。

仮に安倍晋三首相が消費税増税を先送りすれば、日本の財政運営の先行き不透明感が増し、国債が売られて長期金利が急騰。異次元緩和の効果が失われる恐れがあったほか、「日銀が大量の国債を買い続けるのは財政ファイナンス(財政赤字の穴埋め)」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)との批判が強まる懸念があった。

一方、足元の国内景気は個人消費が底堅く、大企業を中心に企業業績も堅調だ。円高是正で輸出も持ち直し傾向にある。

景気の回復基調が強まっていることを背景に、日銀は消費税増税に伴う駆け込み需要の反動が出る平成26年度の実質経済成長率も1・3%のプラス成長と、強気の見通しを崩さない。日銀の黒田東彦総裁は消費税増税後も「前向きな循環は維持され、景気が腰折れするとは思っていない」と強調する。

ただ、今後は米国の量的金融緩和の縮小や新興国経済の減速など海外発の経済リスクが国内に及ぶ可能性も否定できない。米国が金融緩和の縮小に動けば、円相場や東京株式市場も大きく変動する見通しだ。

クレディ・スイス証券の白川浩道チーフ・エコノミストは「海外経済が波乱要因となり、万一、国内景気に減速の兆しが表れた場合、政府は追加で補正予算を組むだろう」と指摘する。政府が動けば「下方リスクが顕在化すれば適切な対応をとる」(黒田総裁)とする日銀にも、追加の金融緩和を求める圧力が強まりそうだ。

(産経デジタルより引用)

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