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2016年11月29日
不動産投資における節税対策は、収益不動産を取得する段階から始まっていることをご存知でしょうか?
このことを知らずに、土地と建物の割合を売主さんや仲介業者さん任せにしてしまうと、のちのち後悔することにもなりかねません。
今回は、節税のための物件取得時の注意点について、詳しく説明いたします。
■減価償却費とは
「減価償却」という言葉を耳にしたことがあると思います。元を取るという意味でこの「減価償却」という言葉を使っている人も多いのではないでしょうか。そして、勘定科目にも「減価償却費」というものがあります。
コトバンク(https://kotobank.jp/)によると、
減価償却費とは「建物や設備など、長期間に渡って利用する資産を購入した場合、その購入価額をいったん資産として計上した後、当該金額を資産の耐用年数にわたって規則的に費用として配分される金額。」
とあります。
不動産に例えると、物件の価格を耐用年数に渡って一定の割合で経費計上することができるということです。
減価償却費の計算方法には、一定の額を経費計上する定額法と、一定割合を経費計上する定率法の2種類があります。
例えば、建物価格が2,200万円のアパートを購入したとします。木造建物の耐用年数は22年ですので、このアパートの減価償却費は
2,200万円÷22年=100万円(定額法で計算)
ということになります。
つまり、毎年100万円の経費計上が伴うということです。
大切なのはそこではありません。減価償却費という経費には実際の支出が伴わないということです。この支出を大きくなるほど所得を少なくすることができ、節税効果が見込めるということになるのです。
■土地・建物の割合はどうやって決めればよいのか?
そこで、大事になるのが購入時に決める土地と建物の割合です。
減価償却できるのは建物のみ。消耗品ではない土地には減価償却は適用されません。よって建物の割合を高く設定すれば、その分減価償却費を多く計上できるということになるのです。
建物の割合を高く設定するにはどうしたらよいのか?
それは売主との交渉次第ということになります。個人の売主であれば、建物割合を高く設定することによって生じる不利益はありません。そのため、買主の希望通りに建物割合を設定してもらえることでしょう。
問題なのは売主が法人の場合です。課税事業者の場合、事業用建物の売却は消費税の課税対象になります。
一方、土地の売却は消費税の課税対象外ですので、土地の割合を多くしたいと考える課税事業者の立場も理解できます。
そのような場合は、次にご紹介する3通りの方法で、あらかじめ土地と建物の按分を算出しておくようにしましょう。
これらの算出方法で算出された建物割合の中で、もっとも高い割合のものを下回らないようにすること。それが交渉の際の目標ということになります。
1. 土地と建物の時価の比率による譲渡代金の按分
2. 土地と建物の相続税評価額または固定資産評価額を基に計算した譲渡代金の按分
3. 土地と建物の原価を元にした譲渡代金の按分
収益不動産を購入する際は、契約書に土地と建物の割合を明確に記載してもらうようお願いするようにしましょう。
その際、建物の割合をより多くしてもらえるよう頑張って交渉してみてください。それによって、将来皆さんが手にするキャッシュフローも、大きく変わってくることでしょう。
(マネーの達人より引用)