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2016年12月14日

いま投資するなら「中古タワマンの上層階」が狙い目? タワマン相続税見直し、適用後はこう変わる

先日発表された、政府・与党によるタワーマンションの相続税・固定資産税の見直し案に、驚いた方も多いのではないでしょうか。

現行税制では、1階であっても最上階であっても同じ面積なら課税額が同一ですが、見直し後は、階数に応じて税額に差を設けるというもの。

これまで、富裕層の相続税対策に利用されることも少なくなかったタワマン。なぜタワマンが相続税対策になるのか?

これから、タワマンの相続税評価の仕組みをご説明するとともに、税制改正後の動向について考えてみたいと思います。


■どうしてタワマンが相続税対策に?

まず、相続税がどのように算定されるかをご説明しましょう。

相続税の算定基準となるものが、固定資産税評価額。マンション1棟の評価額を各部屋の専有部分の床面積に応じて按分した額が、その部屋の固定資産税評価額ということになります。

階数による差はないため、面積が同じ場合1階と最上階が同じ評価額ということになります。

ところが、上層階に行くほど景観という付加価値が高まるため、面積が同じでも取引価格は高くなります。

ある機関の調査によると、全国の新築タワーマンションの1階と最上階の分譲価格には、40%以上もの開きがあったということです。


■節税効果が期待できるタワーマンション

現金で相続するよりも不動産で相続した方が相続税の金額を抑えやすいということは、以前のコラム(注目を集めるタワーマンション投資、その現実に迫る!)にて説明いたしました。

その不動産の中でも特に節税効果が期待できるもの、それがタワーマンションなのです。

AさんとBさんがいたとします。Aさんは1億円でタワーマンションの1階の部屋を、BさんはAさんの上の最上階の部屋を1億4,000万円で購入したとします。

両者の価格には4,000万円もの開きがあるにもかかわらず、両者に掛かる相続税は同額、つまり、最上階の部屋にはより高い節税効果があるのです。


■対象は「2018年以降引渡しの新築」

新しい税制が適用されるのは、2018年以降に引き渡される新築タワーマンションです。

現行制度による税負担を期待した購入者への配慮から、1年余りの猶予が設けられているようです。では、新税制が適用された後の不動産市場はどうなるでしょう。

まず考えられるのが、富裕層のマネーが築浅中古タワマンに向かうこと。タワマンの上層階は資産価値が落ちにくいという特徴があるため、中古であっても相続税対策には有効と考えられます。

富裕層マネーが中古タワマンに集まって需要が増えれば、中古タワマンの相場は一層高騰することも期待できます。いま投資するなら、中古タワマンの上層階がねらい目かもしれません。


■税制見直し後は

税制見直し後は、タワマン上層階の評価額が引き上げられる一方、中層階は現行のまま、下層階は引き下げられるという案になっています。

そうであれば、超高層タワーマンションの中層階でも、他種の不動産で節税を図るよりも大きな節税効果が見込める可能性もあります。

新税制の詳細はこれから決めるようなので、相続対策に新築の購入を検討しているようでしたら、少し様子を見た方が賢明かもしれません。

(マネーの達人より引用)

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