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2017年09月21日
日銀の黒田東彦総裁は21日午後3時30分から、金融政策決定会合後の記者会見に臨んだ。米連邦準備理事会(FRB)が20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で2008年の金融危機後の量的緩和政策を完全に終結することを決めたのを受け、黒田総裁が日銀の緩和策の「出口」についてどう説明するかに市場関係者の注目が集まっている。
日銀が21日に開いた金融政策決定会合では、短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度に誘導する金融緩和策(長短金利操作)の現状維持を決めた。景気は順調に回復しているが足元の物価上昇は鈍く、緩和策を粘り強く続けて物価目標の達成をめざす。今回から審議委員として加わった片岡剛士氏は反対票を投じた。
金融政策決定会合を受けた市場の反応は限られている。午後2時時点の円相場は1ドル=112円台半ばで、決定会合の結果を受けても大きく動かなかった。市場関係者は政策変更がないことを織り込んでいる。日銀はここ1年間、政策を変更しておらず、決定会合への直接の反応は限られる展開が続いている。
金融政策の現状維持は、黒田東彦総裁を含む8人の賛成多数で決定した。今回から片岡氏と鈴木人司氏が審議委員として議論に加わった。エコノミスト出身の片岡氏は金融緩和効果が「2%の物価上昇率を達成するには不十分」として反対した。物価見通しも「2%に向けて上昇率を高めていく可能性は現時点では低い」とした。上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)などの資産買い入れには賛成した。
日銀は景気については「緩やかに拡大している」とした7月の前回判断を据え置いた。4~6月期の実質国内総生産(GDP)は6期連続のプラス成長となり、内需主導の景気回復が続いている。日銀は景気の好循環がいずれ物価上昇につながるとみている。現状の緩和を続け、2%の物価安定目標を19年度ごろに達成することをめざす。
FRBが20日に量的緩和の縮小を決めたことや北朝鮮ミサイル問題についても議論。経済や金融市場に与える影響を点検していくことを確認した。
(日本経済新聞Webより引用)