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2017年11月08日
秋の賃貸商戦が終盤へと近づいている。
10月下旬に台風が2度日本列島に上陸。宅建試験が行われた中旬の15日も秋雨前線の影響で大雨と、天候には恵まれなかったが、人出は例年と変わらないという。ユーザーがインターネットで事前に〝当たり〟をつけているため、特に休日にこだわらず来店しているようだ。取引件数も増加しており、特にシングル向き新築の取引件数は好調だ。
アットホームの調査によると、秋商戦序盤の9月の首都圏における取引件数は1万8586件で、前年同月比5.4%増となり、3カ月連続でプラスとなった。昨年は1万7628件で9月としては例のない低水準だったが、なんとか持ち直した格好だ。
「成約件数は今年の6月まで16カ月連続で前年比マイナスだったが、プラスに転化した。特に8、9月は新築マンション・アパート、中古マンション・アパートすべてが増加している」(アットホーム業務推進部シニアリサーチャー岩田紀子氏)。
「エリア別では埼玉が悪く、面積別でもすべて減少している。これは、以前他エリアが悪かったとき、埼玉の成約件数は良かった。この反動ではないか」(同氏)。
また、これまで悪かった中古マンションの動きにも注目だ。「中古マンションの競争力が下がり、新築アパートのそれが上がっていた。
オートロックやモニター付きインターホンなどの設備が標準でついており、高額な割に設備が不十分な中古マンションよりも新築アパートへ流れる傾向があった。
しかし、9月調査では、中古マンションが増えたのが特徴」(同氏)。
また、シングル向き新築アパートの動きも引き続き堅調だ。
「9月調査では、シングル向き物件の占める割合が半数近くの45.4%で前年同月比9.9%増となった。
以前は独身サラリーマンや学生の収入が低く、家賃負担が苦しいため、親元から通勤通学しているケースが多かったため、動きが止まっていたが、最近は動きが良くなった」(同氏)。
景気が上向きにあることや売り手市場の就職活動など、シングルを取り巻く環境が整ってきたからだろうか。
■同沿線でも二極化
では、今秋における賃貸市場の実際の動きはどうなっているのか。住宅新報社が年2回行っている「マンション・アパート家賃調査」の際に、不動産業者に行ったヒアリングを見てみよう。
■客足やや増
不動産業者にこの秋の客足を聞いてみると、かなりまちまちだったが、総じて例年とほぼ同じか、少し良くなったという声が多かった。中には、「来店した数ということから見ると、昨年より少なかったかもしれないが、事前にインターネットのポータルサイトなどで住みたい物件を厳選しており、成約でいえば多くなっているのでは」(東京メトロ千代田線北千住駅)という声もあった。
「客足は変動がないが、ファミリー層の割合が増加傾向」(小田急線成城学園前駅)、「客足は全然悪い」(同町田駅)と、同じ沿線でも全く異なる回答が複数見られており、一概にこの路線は人気路線と決めつける時代ではなくなったとも言える。
■ファミリー向け人気
前述したように、アットホーム調査ではシングル向き物件の動きが好調だったが、当社調査では、学生街である、日吉、浦安、早稲田などではその傾向が見られたことに加え、1LDKや2LDKなどの人気も高かった。
「相続対策で建てられた新築アパートがワンルームのものが多く、(需要は確かにあるが)余り気味。
反対に1LDKなどの物件が出たら、すぐに決まる」(東急東横線反町駅)。
また、しばらく止まっていた法人の動きも活発になっており、「法人からの需要が増えている」(JR東海道線藤沢駅)。「企業の転勤が増えているからか、ファミリー層の割合が増加傾向」(小田急線成城学園前駅)と答えており、景気回復がジワリと効いている可能性がある。
■新築設備が上昇けん引
賃料の状況はどうだろうか。当社調査によると、ここ数年はほぼ横ばいで、直近でやや上昇の兆しが出てきている。アットホームの調査では、09年の各月を100とした賃料指数で、首都圏平均を見るとマンションが新築、中古共に上昇。
アパートは新築が下落しているが、中古は上昇となっている。
また、平均賃料については、新築マンション、中古マンション、新築アパート、中古アパートすべてで上昇となっている。
当社の調査結果については次号で掲載するが、サンプルをピックアップした段階では、やはり上昇傾向にあった。新築マンション・アパートについては、設備がかなり上昇のけん引力になっている。また、中古については、空室率を下げるため、リフォームを積極的に行うオーナーの多いことが上昇の要因のようだ。
■敷金ゼロが増加
ここ最近の特徴として、岩田氏が挙げるのが、「敷金ゼロが増加していて、特に新築物件が多い」ということだ。例えば、神奈川県の新築アパートでこの1年を見ると、「敷金ゼロが過半数となっている(昨年年頭は30%程度)」(同氏)。
「神奈川のアットホーム営業所に聞いたところ、保証会社を使う数が増加していた」(同氏)としており、その分、敷金を低くしている。その代わり、礼金ゼロの割合は減っているようで、「いい物件を借りられる層が動いている」証左と言えよう。
今後の注目エリアは城北6区(豊島、板橋、練馬、文京、北、台東)。
マンション成約数がプラスになると共に、アパートの成約件数もすべての面積帯で増加している。「今まで注目されていなかったので、賃料もまだ上昇していない」(同氏)。今後の動向が注目される。
■住宅セーフティ法 改正も認知度低く
当社家賃調査と併せて、この10月に施行された「改正住宅セーフティネット法」について聞いたころ、ほとんどの不動産業者が「知らなかった」と回答。
「高齢者については扱いたくない」と話す業者もいた。
「社会保障と住宅政策の融合」(三好修・三好不動産社長)と高く評価される同改正法について、主要な担い手となる不動産業者の認知度をまず上げることが、行政、業界、メディアに求められている。
(住宅新報Webより引用)