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2014年06月03日
■無理にリスクを取るような目標か?
さて、今日は気持ちを新たに・・ということで、新しいという言葉に掛けて新築について話をしてみます。
まだ収益物件を持っていないブログやメルマガの読者さんを対象に、「投資家チャレンジ面談」を始めて1年ちょっと経ちました。(http://toushika-keichan.com/charenge/ )多くの相談に乗っていると、価値観や考え方って本当に人それぞれだなぁと感じます。
特に、未知のリスクについてどのように感じるかは、人によって大きな差があります。将来の賃料や賃貸市況に大きな不安を感じる方もいますし、金利や経済動向について過剰とも思えるくらい敏感な方もいます。建物の老朽化や修繕が気になって仕方ないという方もいますね。
投資というものは不動産に限らず、大きなリターンを求めようとするほどリスクも大きくなるものです。ですから「自己資金をほとんど使わず、数年以内にリタイアできるくらいのキャッシュフローを得る」というような大きな目標がある方なら、ある程度のリスクを受け容れながら、その目標が実現できる投資スタンスを選ばなければなりません。
ただ、誰もがそこまで高い目標を掲げる必要もありません。お仕事を続けながら、10~20年度を見据えて堅実に資産を増やしていきたいというような方は、意外と多くいらっしゃるものです。
そういった方に向いているのが、「建て売りタイプの新築アパート」です。
新築アパート関連の書籍はそれなりに出版されているのですが、ほとんどが「土地を自分で仕入れてアパートやマンションを建築する」ことについて書かれています。前回のコラムで紹介した「1ランク上のスタンス」のひとつですね。
この手法は先述のとおり、土地として売られている状態でどのような建物ができるかを把握できないといけませんし、間取りや仕様を自分で決められるくらいの知識や経験が必要です。工務店や設計士も選ばないといけません。
ここでぼくがお薦めするのはそういった「土地から仕込む新築」ではなく、建築会社が土地を仕入れて自社で上物を建築し、土地と建物をまとめて販売しているタイプのアパートです。
もっとも、アパートが完全にできあがった状態で販売されることは滅多になく、通常は「土地とプラン(建築図面と収益シミュレーション)」という状態で売買契約を締結し、買主が決まってから着工することが多いようです。
この投資スタンスは、利回りこそ「土地を仕入れて自分で新築」より劣るものの、中古物件にはない様々なメリットがあります。
■売った時に儲かる投資
「しばらくの間、大きな修繕費は掛からない」「今のニーズを反映した間取りや設備なので、入居競争力がある」というのは、コラムを読んでいる方なら誰でも知っている新築のメリットです。
とはいえ、「入居率や修繕費を加味した手残りは、中古物件と変わらない」というのは大げさですね。良い物件を選んで購入すれば、中古物件は新築ではあり得ないような爆発的なキャッシュフローを生んでくれます。
ぼくが新築のメリットとして強調したいのは、「新築は売った時に儲かる投資」だということです。
2つの売り物件の概略をご覧下さい。表に記載のある条件以外は全て同じだとすると、どちらのアパートを購入したいですか?
実はこの比較は、ぼくが自分の講演で時々使うものですが、8割くらいの方が右の中古物件の方を買いたいと言います。
どちらも融資の条件(金利・期間)は同じで、購入額全体のフルローンが受けられるとすると、築10年・利回り13.1%のアパートの方が、単純キャッシュフローが毎月5万円くらい多い計算になります。空室率や修繕費の差などが多少はあるかもしれませんが、手残りが多いのは、やはり中古の方でしょう。
しかも、今の市況で築10年の築浅物件を、利回り13%で購入するのは難しいはずです。新築アパートの利回りが9%の場所なら、利回り11%(4,090万円)くらいで売れるでしょう。そう考えると、やはり右かな・・とぼくでも思います。
ところがこの比較にはヒミツがあるのです。
実は左のアパートを購入して10年間保有すると、購入時に5千万円あったローンの残債が、左の中古物件の販売価格である3,433万円まで減るのです。
つまり、新築で利回り9%のアパートを5千万円で購入した投資家さんは、10年間で1千万円くらいのキャッシュフローを得た上に、利回り11%である4,090万円くらいでアパートを売却できる可能性が高く、売却時の仲介手数料と税金を差し引いても400万円程度のキャッシュが残るということなのです。
HOME’Sのサイトでも、築10年くらいで利回り10%程度のアパートはいくつも見つかりますし、実際にそれくらいで売れていると思います。
ちょっときつめの指し値が通り、買主さんが何となく得をした気になっているその裏で、売主さんは新築時から10年間ほとんどストレスなく家賃収入を得た上で、残債をはるかに上回る金額で売却しているという訳です。
築10年の木造アパートの10年後は耐用年数もほとんど残っていない築20年。今度の売却はなかなか苦労しそうですね。
■建て売り新築を選ぶときの注意点
このように「購入直後のキャッシュフロー」では中古に負けるものの、トータルの収益では決して劣っていない新築アパートですが、購入時にはいくつかの注意点があります。
1.設定家賃に間違いや無理はないか。
上述したように、建て売り新築アパートは「土地+プラン」の状態で購入判断をします。そこで計算の根拠となっている設定家賃を少し高めにするだけで、物件の利回りはぐんと上がります。利回りが上がるということは、販売価格も上げられるということです。
実際に入居者がいない状態なので、相場を無視した高い家賃でも見破られにくいですし、多少無理な設定でも、「新築だから」ということで何とか埋まってしまうことも多いです。
物件を検討する際には、その工務店が過去に建築した物件を見学し、家賃設定が新築時とどう変化しているかを確認しましょう。
2.建物の質は保たれているか。
設定家賃を上げるのと同様、建物の建築コストを下げることで利回りを上げることができます。適正なコストで建築されていないアパートは、見た目もデザインも冴えませんし、室内も何となく安っぽくなります。そして何より耐久性が落ちるので、「修繕費がほとんど掛からない」という新築の大きなメリットを享受することができません。
安普請の建物を買ってしまうリスクは、建て売り新築の特徴である「実際の建物を見て判断できない」ことから起こる訳ですが、こちらも事前に過去の建築物件を見学することで回避することができます。
(HOME'S不動産投資 不動産投資コラムより引用)
新築の木造と築10年の木造投資物件の比較
ローンの残債についての試算表