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2014年07月02日
■消費増税でマンション発売戸数は減少、しかし契約率は維持
不動産経済研究所が発表した首都圏のマンション市場動向によると、2014年4月に発売された新築マンションは2473戸で前年同月比39.6%減となっています。
その月に売れた割合を示す月間契約率は74.7%と、好調の目安である70%を超えています。契約率においては、マンション市場は消費増税の影響がほとんど見られないようです。
消費増税に備えて各デベロッパーが戦略的に供給を抑えたと考えられます。1997年4月に消費税率が上昇した時は前年同月比で41.0%減となり、ほぼ同じ割合となっています。
しかし、ここで注目したいのは都心型の高額物件が売れていることです。地域別に契約率を見ると、東京都区部は81.9%と好調。販売価格帯も5000万円以上の物件が多くなっています。
近畿圏を見てみると、4月新規発売戸数は1222戸で前年同月比9.3%の減少と首都圏ほど影響は出ていません。月間契約率は近畿圏全体で74.3%となっています。都市部を見ると、大阪市部は75.9%、神戸市部は85.8%と平均より高い数値となっています。
今後の懸念材料は地価の上昇、そして建築費の上昇です。
東京オリンピックに向けてインフラ整備による建築需要が高まっていますが、長引いたデフレ・建築不況で建築職人の数が非常に少なくなっています。人手不足で建築計画が立てられなかったり、人材確保のための人件費高騰で建築費が大幅に上昇するケースもあります。また、人手が集まらずに工期が延長されるケースも十分に考えられます。
しかし、マンション価格に建築費上昇分をそのまま上乗せすれば売れ行きに影響がでることも予想されます。消費増税で価格が上昇しているので、更なる価格上昇は致命的ともなることもあります。各社は価格上昇については慎重に検討しているようです。
■消費増税でマンション発売戸数は減少、しかし契約率は維持
このように東京都心部などを中心に高額物件の売れ行きが好調ですが、ここで注目したいのは、ファミリーマンションを「資産運用」目的で購入する人が増えているということです。
筆者は首都圏・中部圏・関西圏を中心として全国でセミナーの講演を行っています。そこで感じるのは、ここ数年は投資向けのワンルームマンションのみならず、30~50平方メートルのコンパクトマンション、さらに50平方メートル以上のファミリーマンションを、購入時から資産運用の目的で購入する人が増えてきたという印象が強いことです。
特に多く見受けられるのは、主に首都圏及び中部関西圏において超高層マンション(階数20階以上、高さ60メートル以上)を資産運用目的に購入される人が非常に増えているということです。
富裕層などを中心に、資産価値の高い都心型のコンパクトマンションを資産運用で購入するケースは以前からも見受けられましたが、最近では人気の湾岸や都心型のタワーマンションを購入するケースが多くなっているようです。
たとえば実際の例を見ていると、大阪市西区「大阪ひびきの街 ザ・サンクタスタワー」(オリックス不動産ほか4社、総戸数874戸、地上53階建て、高さ190メートル)は立地も良く、2012年9月に販売開始以来、わずか9カ月で完売しましたが、販売した戸数に対して購入者の数が少ない。これはどういうことがというと、購入者の何割かは複数戸買っているということです。
名古屋市千種区の「ザ・パークハウス 東山レジデンス」(三菱地所レジデンス、総戸数104戸、地上7階建て)や大阪市中央区の「クラッシィタワー淀屋橋」(住友商事ほか3社、総戸数216戸、地上35階建て)なども資産運用で購入を検討される人もいらっしゃるようです。
東京新宿区で発売された「グローリオ新宿夏目坂」(セコムホームライフ、総戸数46戸、地上10階建て)も、山手線内側物件ということもあり、またコンパクトマンションタイプの住戸もあるので投資用に購入を検討されている人もいらっしゃいました。
複数戸購入し1戸は自己居住用として使用し、他の1戸は資産運用物件として賃貸に出すケースが多いのですが、セカンドハウスとしてそのまま貸さないで持っているケースも少なくないようです。
都心型のタワーマンションであれば坪単価が350万円、あるいはそれ以上しますので、2戸買うのもすごいことですが、3戸以上購入するケースもあり、中には「ワンフロア」購入する人もいるそうです。さすが富裕層は違うと思ってしまいます。
こういった「まとめ買い」をする人が多いのも、筆者が最近気付いた傾向の一つです。
■資産運用のメリットは?
ファミリーマンションによる資産運用の魅力は、第一に「資産価値」が考えられます。ファミリータイプはほとんどの場合がオーナー=居住者であり、自分たちの資産であるマンションを守る意識が高い傾向にあります。
日頃の清掃や生活環境をはじめ、管理や大規模修繕工事のための修繕積立金などについても関心が高く、将来に渡って資産価値が維持できることが予想されます。
またエリアを代表する駅近のランドマーク的スポットや眺望・景観にすぐれた湾岸エリアなどに建設されるケースが多く、立地の優位性が挙げられます。
第二は「希少性」です。ファミリータイプのマンションの中に賃貸用の部屋がある場合、賃貸としての物件の数が非常に少なく、希少価値があると言えます。湾岸タワーマンションなどは賃貸の数も少なく人気があるのではないでしょうか。
第三にも重要なポイントです。エントランスホール、ロビー、エレベーターホール等の共用施設が充実しているということです。充実した共用設備は住む人に満足感を与え、また来客にもエントランスなどの仕様で高級感を見せることができます。
第四には「流動性」もあります。超高層マンションは比較的高価格帯で購入者層も年収の高い富裕層や資産家が多く、中古市場でもその流動性が高いことにあります。
中古マンションのメリットは登記簿上の面積が50平方メートル以上あれば、築25年以内であれば住宅ローン控除が使える状態で売却できるということです。つまり、居住用不動産を資産運用として活用し、“出口戦略”においては居住用として売却ができるということです。所有期間がおおよそ20年以上をめどに居住用で売るために、定期借家契約(期間限定)を活用することによって空室の状態で売却できるということも可能です。
第五には「安全性・安心性」が挙げられます。東日本大地震で、一時期湾岸エリアのタワーマンションの人気が下がりましたが、現在発売されているマンションは最新の制振・免震機能を備えていることも多く、地震に対する不安も払拭されてきているようです。またタワーマンションは国土交通省の最も厳しい耐震基準をクリアしているということもポイントの一つです。
住民の安全性を守るセキュリティも充実しています。管理員が常駐であったり、エントランス、エレベーター、居室ドアと、3重のチェックがあるマンションも出現しています。
第六には「節税効果」もあります。相続時には現金などに比べて不動産資産は節税効果が高く、また賃貸用不動産の場合、相続税評価額の点でさらに有利となります。
超高層マンションは購入者には比較的富裕層が多く、中には自営業者が法人契約で購入するケースも多いようです。法人名義で購入した場合は、ローンに占める土地部分の利息も損金算入できるというメリットもあります。
さらに安倍内閣の成長戦略の中で、都心商業地域の容積率を緩和する動きが加速しており、地価上昇の期待が高いエリアに多く建設されているということです。
今後日本経済がデフレを脱却し、成長が軌道に乗れば不動産の資産価値も下がることなく維持されると思われます。
そのような不動産に対する見通しも都心型マンションの売れ行きの原因となっているのかもしれません。
■資産運用のチェックポイントは?
ファミリーマンションを購入する場合、共用部分があまりにも過剰な施設が付いていると将来の管理費・修繕積立金・大規模修繕工事費等が大幅に上昇する可能性もあります。自己居住用であっても管理費や修繕積立金の上昇などの事態も考えられます。投資用でしたら、もし家賃上昇が伴わなければ家賃収入から経費を引いたネット利回りの低下も予想されます。
すべてのマンションの資産価値が将来に渡って維持されるわけではありません。将来のそのエリアの将来性を十分見越して、「その街の一部を買う」つもりで購入を検討することが重要です。
その点では東京の湾岸エリアは東京オリンピックの計画に沸いています。ほかにも鉄道や道路などのインフラ整備状況も踏まえて、総合的に地域のポテンシャルを見るようにしてください。
■資産運用のチェックポイントは?
人間の役割が年齢を重ねることによって変わっていくように、住宅の役割も次第に変化していきます。
当初は居住用で購入したマンションも、転勤となれば資産運用マンションに役割が変わり、また転勤から戻ってくれば居住用としての役割を果たします。
さらに歳を重ねて介護施設に入る場合、その住宅を貸してその賃料収入で介護施設に入ったり、あるいは売却して介護施設を購入する資金の原資としての役割になったりと様々に役割が変わっていきます。
このように住宅は常に役割が変わっていきます。この「役割の変化」に対応できるマンションが、より良いマンションであると言えるのではないでしょうか。
プロ野球の世界でも一つのポジションしか守れない選手よりも、内野も守れる、外野も守れる、いわゆるユーティリティ・プレーヤーが重要視されるように、マンションも様々な役割が果たせるマンションが重要視されると思います。
今後マンションを購入する場合は、人生の様々な場面や変化に対応できるように、様々なシチュエーションを見越して検討されるとよいのではないでしょうか。
(日経BP社 SAFETY JAPANより引用)