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2014年07月04日

「目的」と「手段」についての考察

■「目的」が実現できる「手段」であるかどうか。

ほとんどの人にとって不動産投資を行っている(または、行おうとする)理由は、それによってもたらされる何らかの目的があるからです。
それはキャッシュフローであったり節税であったり、または安定した資産形成であったり。社会貢献のために不動産投資をしているという方もいるかもしれません。
得たい目的は人それぞれですが、不動産投資をすること自体に意味があるのではなく、あくまでもその先の「目的」があるものです。
目的がはっきりしている方は、不動産投資をその目的を実現するための「手段」として捉えているのが特徴です。

実際には、不動産投資で実現したい「目的」はもう少し細かく具体的なものにする必要があります。「資産を増やしたい」ではなく「5年以内に毎月50万円のキャッシュフローを得たい。」というようなイメージですね。
また、「手段」の方に目を向けると、やはり「不動産投資をする」では大雑把すぎるので、もう少し細分化する必要があります。
購入するのは木造アパートなのかRCマンションなのか区分なのか。どこの銀行から融資を受けるのか。エリアと利回りはどうなのか・・などなど。その細分化されたものを「スタンス」と呼んでいるわけです。

その手段(スタンス)というのは、普通に考えれば「得たい目的を実現できるもの」であるべきですよね。決めた手段を用いてものすごく頑張って大成功しても目的には到達しない・・・ということでは意味がありません。


■目標が大きいほど、採れる手段は少なくなる。

ぼくはこの「目的」と「手段」について交通機関に例えて説明しています。
自分がいま東京にいるとして、そこから当日中に決められた場所に移動しないといけないとします。
この「決められた場所」が不動産投資で到達したい目的や目標だと考えて下さい。その際に利用する交通機関が「手段」ということになりますね。

現在地を東京だと仮定して、例えば「明日までに名古屋に行きたい」という目的がある場合、それを実現しうる交通手段はたくさんあります。新幹線や長距離バスはもちろん、自家用車でも可能でしょうし、鈍行電車を乗り継いでも行けないことはありません。
しかしこの目的地を「札幌」に変更すると、翌日までにたどり着ける可能性のある交通手段は現実的に飛行機のみです。
一般的には距離が遠くなるほど、そして目的地まで到達するまでの時間が短ければ短いほど、選択できる手段は少なくなることが分かります。

不動産投資もそれと同じで、目指す投資規模(購入総額や家賃収入)を大きくすればするほど、それを実現できる投資スタンスというのは限られてきます。

具体的に説明していきましょう。
投資を始めた時の属性や自己資金の多寡によっても変わってきますが、例えば「10年以内に毎月30万円の手取り賃料収入を得たい」という目標を定めた場合、選択できる投資スタンスはかなり多くの選択肢があります。

高利回りの木造アパートを公庫の融資で購入し、4~5年に1棟のペースで買い増しをしながら、2棟購入したら1棟を売却するような方法で、自己資金とキャッシュフローの両方をじっくりと増やしていく・・という方法でも10年間で30万円の手取り収入にはなるでしょう。ペースはゆっくりですが、リスクは極小化できます。
しっかり貯蓄ができる人なら、戸建てや区分を現金購入していっても、適切に出口を取っていけば目的に到達することができます。
属性が高めの人なら、5千万円くらいの新築アパートを3年に1棟購入していく・・という方法でも良いかもしれません。購入価格の90%を融資に頼っても、低金利であれば1棟10万円/月のキャッシュフローが出ますので、入居付けや修繕費の苦労をすることなく、目的を達成できることになります。

「10年で毎月30万円のキャッシュフロー」は、さほど高い目標ではないので、例えば「ボロ物件はイヤ」「一都三県で物件を持ちたい」「スルガ銀行は使いたくない」など、いろいろな条件を満たしながら、目的まで到達することができるのです。
しかし、これが「3年以内に月額100万円のキャッシュフローを達成して、勤務先を辞める」という大きな目標だったらどうでしょう。

億単位の金融資産がない限り、選択肢は「RCマンションの一棟もの。主なターゲットは人口20万人以上の地方都市」しかありません。フルローンまたはそれに近い融資を受け続けられるスタンスは、これしかないからです。
(ちなみに人口20万人未満のエリアは融資がつかないのでダメ。都心の物件は利回りが低すぎてキャッシュフローがでないのでダメです)
融資を受ける銀行も、いわゆる「アパートローン」の扱いがあるところに限定されます。今だと、スルガ銀行やオリックス銀行、物件によってはSBJやりそなも選択肢になりますが、逆に言えばそれ以外のほとんどの金融機関は、上記の「3年以内に毎月100万円」が実現できるスタンスには使えないということです。

地主でも資産家でもない人(もちろん、ぼくもそうでした)が、億単位の収益物件を次々と買っていくというのは、不動産投資において非常に特殊なことです。だからそれを実現するための手段も特殊であり、選択肢は少ないものだということです。

収益物件を買いたい!と思いながらもなかなか成果が出ていない方は、ここまで説明したような「大きな目標を持ちながら、手段についての自分の希望が多すぎる」という状態になっていませんでしょうか。
目的にこだわりたいなら、手段に贅沢を言わない。プロセスにこだわりたかったり、「これはイヤ」という要望が多かったりするのなら、目的の方を修正する。

歩いて札幌にたどり着こうというような考えは捨てましょう。

(HOME'S不動産投資より引用)

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