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2014年07月10日
国税庁が2014年分の路線価を公表。三大都市圏などで地価の回復が鮮明となったと報道されている。その路線価は、2015年からの相続税増税でも注目されている。路線価を使ってどのように相続税が計算されるのか、節税策はあるのかについて考えてみよう。
■2014年分の路線価は、大都市圏で地価上昇が鮮明に
2014年分の路線価(1月1日時点)によると、全国平均が0.7%下落したものの、下落幅は1.1ポイント縮小した。全国的に地価の底打ち感が広がった。また、首都圏は1都3県ともにそろって前年より上昇、大阪府や愛知県も上昇するなど、大都市圏で地価の回復が鮮明となった。
都道府県庁所在都市の最高路線価の最高額は、東京・銀座の鳩居堂前で㎡当たり2360万円で、トップ5はそれぞれ以下の通り。
○都道府県庁所在都市の最高路線価(1m2当たり)のTOP5
・東京都 中央区銀座5丁目 銀座中央通り 2360万円(前年比9.7%上昇)
・大阪市 北区角田町 御堂筋 756万円(前年比6.2%上昇)
・横浜市 西区南幸1丁目 横浜駅西口バスターミナル前通り 666万円(前年比7.8%上昇)
・名古屋市 中村区名駅1丁目 名駅通り 660万円(前年比10.0%上昇)
・福岡市 中央区天神2丁目 渡辺通り 475万円(前年比2.4%上昇)
■「路線価」は、なぜ路線に価格をつける?
「路線価」は、相続税や贈与税などの課税価格の基準となるもので、国税庁が公表するもの。相続税や贈与税を算出する際に、実際に土地を売ってみないと価格が分からないということでは困ってしまう。そこで、道路ごとに値段をつけて、土地の価格を計算しようというのが路線価だ。
住宅は必ず道路に面して建てられているので、面した路線の価格(1m2当たりの千円単位の価格)に土地の面積をかけて計算するという考え方だ。例えば、路線価が30万円の路線に面した200m2の土地は、30万円×200m2=6000万円の評価額となる。
ただし、土地の形や道路との面し方もさまざま。間口が狭い場合、奥行が長い場合、土地の形が悪い場合などでは補正率によって安く計算されるし、道路に2方向接している場合などでは加算されるなど、実際には複雑な計算が必要だ。
また、路線価にはそれぞれ借地権割合が付されている。借地や貸家の場合は、評価額が低く計算される仕組みとなっている。
なお、面している道路に路線価が定められていない場合は、土地の固定資産税評価額に一定の倍率をかけて計算する倍率方式で計算することになる。
■相続税増税で注目される路線価、節税の方法はあるの?
2015年1月から相続税が増税となる。基礎控除が「5000万円+1000万円×法定相続人の数」から「3000万円+600万円×法定相続人の数」となり、これまでより4割縮小してしまう。都市部を中心に路線価が上昇しているため、都市部の住宅を相続する場合は、相続税の対象となる評価額が、縮小された基礎控除を上回ってしまい、相続税がかかる事例が増えると見られている。
そこで節税対策になるのが、賃貸併用住宅や二世帯住宅だと言われている。
まず、賃貸併用住宅に建て替えて、自宅を一部貸家としておけば、評価額が抑えられるというのが理由だ。
また、相続税を計算する際に、小規模な宅地であれば240m2まで(2015年1月以降は330m2まで)の土地の価格を8割も減額して計算できる特例がある(小規模宅地等の特例)。配偶者は無条件でこの特例が使えるが、同居している親族の場合もこの特例を使える可能性が高いため、二世帯住宅を建てて同居しようというわけだ。
2015年の相続税を実際に計算する際に使われるのは、2015年分の路線価だ。利便性、収益性の高い地域の地価が上昇する傾向は、今後も続くと考えられる。しかし、節税のことだけを考えて、賃貸併用住宅や二世帯住宅に建て替えてしまい、貸家の入居者が埋まらない、子どもとの同居が上手くいかないといった事態が生じると、結局は得をしないということにもなる。安易に飛びつくことだけは避けたほうがよいだろう。
(suumoジャーナルより引用)