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2014年07月16日

「第30回不動産投資家調査」が発表されました。

日本不動産研究所(JREI)が半年ごとに行っている不動産投資家調査の最新版が発表されました。

■新規投資意欲:「不動産への新規投資を積極的に行う」・・・92%(前回91%)
■マーケットサイクル(市況感):東京(丸の内・大手町地区)は「回復期」から「拡大期」への移行が鮮明に。一方、大阪(御堂筋沿い)は東京ほどの勢いはなく、前回と同じく「回復期」と捉える回答者が最も多かった。
そして予想通りといえば予想通り、期待利回りは低下(物件価格は上昇)を続けています。

■ワンルーム
交通アクセス:最寄駅から徒歩10分以内
築年数:5年未満
平均専用面積:25~30㎡
総戸数:50戸程度
という条件で城南地区(目黒区・世田谷区):渋谷、恵比寿駅まで15分以内の鉄道沿線であれば、5.1%の期待利回りで買います・・とファンドを中心としたプロの皆さん(117社)は回答しています。そして、実際に取引した利回りは4.9%。希望よりも若干高くても契約したということです。

ここでいう利回りは、表面利回り(満室想定賃料÷物件価格)ではないところに注意してください。家賃から空室損と運営費(固定資産税・管理費・水光熱費などなど)を除いた営業純利益(NOI)を物件価格で除した、いわゆるキャップレート。
例えば、月額家賃11万円×50戸=年間家賃収入6600万円で、空室率が5%、運営費比率が20%の物件であればNOIは4950万円。
キャップレート5.1%で買おうというのであれば、4950万円÷5.1%≒9億7000万円で買いたいということ。
実際に契約したのが4.9%であれば、4950万円÷4.9%≒10億1000万円、つまり希望よりも4000万円高く買ったということです。表面利回りに換算すると、それぞれ6.8%と6.5%。
半年前の前回調査では何パーセントだったかというと、期待利回りは5.2%、取引利回りは5.0%。
NOI4950万円だったら、希望は約9億5200万円、契約したのは9億9000万円。
つまり、この半年で希望価格も取引価格も約2000万円上乗せされたということです。
大体2%位の値上がりですね。

同じ条件の物件で、他の地域だったら?(期待利回り)

城東地区(墨田区・江東区):東京・大手町まで15分以内の鉄道沿線・・・・前回5.5% ⇒ 今回5.4%
札幌 7.0%⇒6.9%
仙台 7.0%⇒6.8%
さいたま 6.5%⇒6.3%
千葉 6.5%⇒6.3%
横浜 6.0%⇒5.9%
名古屋 6.4%⇒6.1%
京都 6.5%⇒6.4%
大阪 6.1%⇒6.0%
神戸 6.5%⇒6.4%
広島 7.0%⇒7.0%
福岡 6.5%⇒6.3%

広島を除いて全ての地域で利回りが低下(価格が上昇)しています。
なかでも、名古屋の回復が目立ち、仙台・さいたま・千葉・福岡が続きます。

キャップレートの構成要素を分解すると、
「①リスクフリーレート+②リスクプレミアム-③NOIの成長率」(ゴードン成長モデルによる)
①は長期国債利回り相当とみられますから、全国どこでも一緒。
リスクが低いと見られていて、NOI(賃料や空室率に影響を受けますね)がこれからどんどん改善される!と投資家が思っているところほど、キャップレートは低くなるということです。

高利回りが良いと思っている方が多いと思いますが、それは将来の収益力ダウンやリスクの上昇が織り込まれているという裏返しである・・・ということを忘れないでください。
順位をつけると・・・

1位 都内城南地区 5.1%
2位 都内城東地区 5.4%
3位 横浜 5.9%
4位 大阪 6.0%
5位 名古屋 6.1%
6位 さいたま・千葉・福岡 6.3%
7位 京都・神戸 6.4%
8位 仙台 6.8%
9位 札幌 6.9%
10位 広島 7.0%

それから、この利回りは
■ワンルーム
交通アクセス:最寄駅から徒歩10分以内
築年数:5年未満
平均専用面積:25~30㎡
総戸数:50戸程度
という条件の場合ですから、もっと古かったり、木造だったり、不便だったりということであればこれよりも当然利回りが上がります(価格は下がる)。
また、新築だったり、同程度の築年数でも都心3区(中央区・千代田区・港区)など立地条件が優れていれば利回りは下がります。
古くて都心だったら・・・相殺されて同じくらいになるのかな?
ファンドの皆さんは、築古の物件や木造は買いませんからそのあたりの指標がぽっかりと空白なんです。それで、一生懸命「全国NOI率調査」をやっているんですけどね。

(HOME'S不動産投資より引用)

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