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2014年11月26日

不動産の価格はどこまで上がるのか?

購入側からすると、融資の目処がつきやすくなるのはいいけれど、肝心の物件は価格が上昇気味・・・という状況でどうしようか迷うところ。
逆に物件を売却する側としてはできれば高値で売りたいので、融資が緩和されている状況を好ましいと感じている方が多いのではないでしょうか。
価格は売り買い双方合意で決まりますが、今はやはり売主優位の場合が多いと感じます。
価格以外の要素(例えば売主側は、いつまでに現金化する必要があるなど)で決まるケースもありますが、売り手市場では基本的に価格あってこそなのだと思います。

では不動産の価格はどのくらいまで上がるのでしょうか?
今回は、前回述べた融資基準の緩和から不動産価格について考えてみます。

緩和の状況として目につくのは以下3点だということは前回も話しをしました。

①金利が下がっている
②融資期間が長くとれるようになっている
③頭金が少なくてOK(フルローン含)

このうち①と②は毎年の返済額が少なくて済むため、利回りが低めでも当初は収支が成り立つことも多く、結果、購入したい人は増えます。(≒物件価格が上昇)

数字を挙げてみましょう。
物件価格1億円で表面利回りを8、7、6%と変え、単年度キャッシュフロー、累積キャッシュフロー、残債を見てみます。

まず、ローンを9,000万円、25年間で組んだ場合で金利2.5%と1.5%の比較です。
空室率・経費合わせて20%前後、家賃下落1%/年、税率(所得税・住民税)30%と仮定すると、利回りが8、7、6%ではそれぞれ以下のようになります。

利回り8%の場合は、金利が2.5%の場合も単年度CFは12年目くらいまで一応プラスを保ちそうです。
ただし、築年数等により思いのほか修繕費や原状回復費、入居者募集費用がかさむ、空室率が高い、突発的な出費があった場合等は、マイナスになる可能性はあるでしょう。
これが利回り7%になると、4年目くらいからは単年度CFは赤字。
それでも、将来のキャピタルゲインを見込み購入という人はいます。

例えば、10年後に家賃10%減、同じ利回り7%で売却できると踏めば、9000万円で売却となります。
残債6,055万円を返済し諸経費を差し引くと、手元で2,600万円程度。ここから累積CFの赤字分110万円と初期投資分1,600~1,700万円を差し引いて800万円ほど、という具合です。
金利1.5%の場合で同じように考えると、最終的に手元に残る金額は1,050万円ほど。
この金額をどう考えるかは個人差が大きいところでしょうし、実際問題として「たられば」の仮定がいくつもあり強気の見通しですが、市況が良い時には強気、楽観のムードが多くなりがちです。

利回り6%になると、さすがにこちらの前提条件では毎年の収支は厳しくなります。
それでも立地等に非常に魅力があり将来のキャピタルを大きく考えている場合は、頭金を多めに入れるなどしても購入する人はいます。
またここでは金利1.5%としていますが、現在、人によっては1%を切る金利で借り入れができる人もいます。加えて②ローンの期間を長期で設定できるようになっている現在、①②を併用すると、ますます・・・ですね。
ちなみに金利1%、30年返済の場合、上記前提では初年のCFが52万円、10年くらいまではプラスになり、10年間では累積CFが320万円、残債6,294万円となります。

こういった状況を超えても価格上昇が成り立つのは、インカムではなくキャピタルメイン、または相続税を始めとする節税対策等で購入する人がメインとなってきます。
もちろん、行き過ぎるとバブル時の二の舞になる可能性があるのは言うまでもありませんが。

前回もお話ししましたように、将来の金利上昇によっては、物件の利回りと金利差が縮小するので、売却が困難になることが想定されます。
金利が低い、融資期間が長期で組めるから収支が成り立つという状況だけに依存するのは、大きなリスクを内包しているといえるでしょう。
しかしながら不動産価格の底打ちや上昇をあちこちで耳にするようになると、様々な期待や思惑が交錯し高値でも買われてしまうことが往々にしてあります。これが結局価格上昇につながることになるのです。

(HOME'S不動産投資より引用)

利回りに対する金利とCF一覧
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