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2014年12月18日

2014年の不動産投資を振り返る

2014年の不動産投資市場は前年同様アベノミクスの恩恵を受け順調に推移したといえるでしょう。10月に発表された日本不動産研究所(JREI)の第31回不動産投資家調査では、全エリアで賃貸住宅の期待利回りが1~2%低下(価格上昇)しました。特に都心部では前年の東京五輪開催決定が国内外からの積極的な投資を呼び込んでいます。また、J-REITの資産規模はついに10兆円を超えました。
では、機関投資家や外資以外の個人投資家の動きはどうだったでしょうか。市場に参加した個人投資家で今年特に目立ったのは大きく分けて以下の3グル―プです。

1.株価上昇の恩恵を受け確定させた利益を元に不動産投資に新規参入した層。彼らは証券投資の補完としての不動産投資に安定性を求め、築浅・好立地の比較的低利回り物件を取得する集団と、機会追求的な地方・築古系のハイリスク・ハイリターン投資に取組む集団に二極化しました。

2.相続税増税に向け動いた資産家層、従来のアパマン建築に加え、資産圧縮効果の高いタワーマンション取得が注目されました(評価の基本はあくまでも市場価格であるとして、現在国税庁に目を付けられています)。

3.86年~88年及び05~07年のバブル期に不動産投資に参入し、経験的に市況の先高観を強く感じる層。彼らは、同時に大きな景気後退も経験しているため、様子を伺いながら市場に参加しています。また、長期譲渡税率対象物件を保有し、絶好の売り時として売却による利益確定を目論んでいる投資家も多くみられます。「出口戦略」ということばが、広く使われるようになった年でもあります。

その他、安定した売電収入と税務上の優遇から注目を浴びていた太陽光発電投資に、一転再生エネルギー買取中断や桜島・阿蘇山などの火山灰といった様々なリスクが露見したり、

富士吉田市の豪雪被害、御嶽山の噴火、広島市安佐南区の土砂災害など不動産投資における自然災害リスクが改めてフォーカスされることになったり。

一方、長い景気後退と構造的な高齢化、そして復興需要と消費税増税駆け込みなど建設労働者不足が深刻化した一年でもあり、円安と資源高もあいまって建築コストの上昇が供給サイドの問題を生じさせました。

不動産投資と密接な関係を持つ金融機関の姿勢については、積極的に取り組む銀行が増加しましたが、
①リスク特性に即した審査基準の整備
②ポートフォリオの質の変化の把握
③入居状況と賃料変化の管理
という日銀の監督方針が3月に出され、前向きななかにも慎重さをもった姿勢を保っています。

暮れに行われた衆院選は、アベノミクスを引き続き信任する結果となりましたので2015年もこれまでの流れを引き継いでいくことと思います。
2014年4月の消費税増税後の景気の足踏み、あるいは円安デメリットの顕在化も引き継ぎ景気後退下のインフレ(スタグフレーション)という事態が本格化となれば不動産市場の縮小を余儀なくされることでしょうし、安倍政権が力強く政策を推し進めるための足場固めができ、本格的にデフレ脱却・景気拡大というシナリオが功を為せば更なる不動産市場の拡大が予想されます。

人口減少、米国の量的緩和終了、中・台・韓他アジア各国の人口ボーナス期終了。
2015年も国内外の環境は大きく変化しますが、地域性が高く、個人の経営判断や裁量によって大きく成果が左右される不動産投資事業においては、景気拡大・景気後退、どちらの局面においても成功することが可能です。

より一層の研鑚を積み、時代の変化をとらえる事のできる個人投資家にとっては、大きなチャンスの年といえるでしょう。

(HOME'S不動産投資より引用)

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