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2014年06月03日

中古ワンルーム市場 最前線 (上) きらめき不動産社長 後藤聡志 物件、一気に品薄状態

不動産投資市場が過熱し始めた。その背景はどこにあるのか。今後の展開は…。中でも中古ワンルーム市場は、初心者も含めて活況を呈してきたという。そこで、同市場に特化して仲介業を営むきらめき不動産の後藤聡志社長に最新事情を報告してもらう。
アベノミクスが発動し、株価は約2倍程度まで上昇しました。中古ワンルームマンションも場所によって2割程度価格が上昇しています。要因は東京オリンピックの決定と、インフレへの警戒感から資金を不動産に移す流れが増えたことです。弊社で取引をする顧客層は以前にも増し不動産投資の初心者が増えました。


■若年化が進む

また年齢もますます若年化しています。特に昨年から、築の古い中古ワンルームに対しての融資が積極化されていることから、その流れが強まっています。不動産投資の中で一番ハードルの低い中古ワンルームマンション投資を取り敢えずやってみようという方が増えています。

築年の浅いものから古いものまで値段が上昇しているわけですが、東京23区内でも立地が微妙なところは以前と変わらない状態です。具体的には駅からの距離が徒歩15分以上で物件が古いタイプのものなどが該当します。23区内で徒歩15分歩けばほとんどのエリアでは次の駅に到着しますが、中には陸の孤島的なエリアも存在します。


■人気エリアに需要集中

逆に人気エリアのものは築が古くても借地でも旧耐震でも値段が上昇しています。特に築の浅いものに関してはエンドユーザーよりも高値で購入する買取業者も存在します。とはいえ、基本的には家賃が上昇している訳ではないので実質利回りが下がっています。

横浜や川崎などの神奈川エリアでも全体的に物件数自体が減少しており、以前から売れ残っていた物件ですらドンドン売り切れていく状態です。横浜に西区南幸という地区があります。それほど広いエリアではないのですが少し前までは数十件の売り物件が流通していましたが、つい先日物件を探したところ、それら全てが売り切れていました。これはワンルームだけではなくファミリータイプも含めての話です。こうしたことが多くのエリアで発生している状況といえば今の雰囲気が伝わるでしょうか。

また築の古いものに関してはエンドユーザーによる購入が多いです。最近不動産投資を開始した初心者層がその多くを占めています。購入方法は現金で買う方と融資を使って買う方と半々程度です。


■銀行が融資積極化

融資に関しては昨年から今年にかけて金融機関が増えたこと、条件が緩和されたこともあり、以前では融資が利用できなかった物件が売れていっています。日本政策金融公庫やSBJ銀行などが主な金融機関です。最近、一般の主婦の方が物件を購入されたケースもあります。

また、海外からの引き合いも増加傾向にあり、特に台湾からのお問い合わせが増えています。直接弊社に問い合わせがくる場合もありますが、海外向けに集客をしている業者からの紹介ケースが多いです。いわゆるワンストップサービスという形態で販売後のフォローを行っているようです。


■売り渋りが増加

このような状態のため売主の売り渋り気配が強まっています。まだ上がるのではないかという期待感から以前であれば十分納得できる金額を提示されても売却に至らないケースが増えています。また、売り手市場の中で賃料設定で強気に出るオーナーも存在します。 特に居住タイプではなく事務所にも利用できる区分マンションで家賃を周辺相場よりも強気に設定し成約するケースもあります。立地が良く事務所タイプであれば家賃の上昇の可能性もありということです。

ごとう・さとし=76年生まれ。獨協大学卒業後、証券会社や旅行会社など様々な職を経験後、不動産業界に転身。08年に、中古ワンルーム専門に売買仲介事業を手掛ける、きらめき不動産を設立。

(住宅新報Webより引用)

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