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2014年07月02日
住宅市場で賃貸物件の建設が急増している。2013年度は新設戸数が前年度比15%増えて5年ぶりの高水準となり、今年度も増加が続く。都市部の地価持ち直しで生命保険会社などの投資マネーが流入しているほか、相続税増税を控えた個人の節税投資もみられる。高齢者向けの賃貸物件も増えており、住宅市場の下支え役となっている。
4月の住宅着工戸数は持ち家が前年同月比16.1%減、分譲住宅が7.8%減と消費増税の影響が強く出た。ただ賃貸住宅は12%増と14カ月連続でプラスとなり5月も増加基調を保ったもようだ。
13年度でみても賃貸住宅の新設は37万戸と前年度比15.3%増え、伸び率は持ち家(11.5%)や分譲住宅(3.8%)より高い。旭化成ホームズでは13年度の賃貸物件(自宅兼用含む)の新規受注数が約2割増えた。
賃貸住宅の建設が増えているのは投資マネーが流入しているためだ。第一生命保険は賃貸マンションへの投資を始め都内の6棟を120億円で取得。オリックスや積水ハウス系の不動産投資信託(REIT)も4月以降、賃貸物件をそれぞれ200億円前後で購入した。
昨年4月に日銀が始めた「量的・質的金融緩和」によって国債利回りが低下しており、生保は運用改善のため投資先を株式や不動産に広げている。REITも公募増資などで13年に過去最高の1兆1000億円を調達した。「安定利回りが見込める大都市圏の賃貸マンションは投資家の取り合いになっている」(ドイツ証券の小夫孝一郎ディレクター)という。
相続税の節税を目的とした個人の投資も増えている。相続税は15年1月から基礎控除額が4割減って課税範囲が広がり、死亡者のうち相続税の対象となるのは年5万人強から1.5倍程度に増える見通しだ。最高税率も50%から55%に上がる。
ただ遺産が賃貸住宅の場合は入居者の借地権などが資産評価から差し引かれる。みずほ総合研究所が相続増税後のケースを試算したところ、2億円分の資産を相続した場合、賃貸住宅なら納税額が1220万円と現預金に比べ約4分の1で済む場合があるという。同研究所は節税対策で賃貸住宅の着工が年1万5千戸押し上げられるとみる。
賃貸物件には介護などが受けられる「サービス付き高齢者向け住宅」も含まれ、市場の拡大につながっている。同住宅の登録戸数は5月末までの1年間で3万6666戸(33%)増えた。
賃貸住宅建設の勢いは地方にも広がっている。13年度の着工数の伸び率をみると、被災地の宮城県が前年度比66%増えたほか、高知県も78%、徳島県も64%伸びた。
(日本経済新聞Webより引用)