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2014年09月26日
さて今回は、売却価格と残債との関係を考えてみます。
不動産投資の失敗は大小様々ありますがそのひとつに、売却をしたいが残債以下になりそうなため、「売るに売れない状況になってしまう」ことがあります。
その不動産投資が成功したかどうかは、インカムとキャピタルが確定してわかるもの。
売却までの累積キャッシュと売却による手残りキャッシュから購入時の自己資金を差し引いた金額がマイナスにならなければ、少なくとも元本は割らなかったことになります。
ただ実際には、売却時にそれまでの累積キャッシュが手元にあるわけではないことも多いはず。
他の投資にまわして上手くいっているのであれば良いのですが、失敗していたり、消費して使ってしまっている場合もあるでしょう。
インカムとキャピタルを合わせたらマイナスではないのに、売却のみだけでは残債が返せないという事態になる可能性もあります。
そこで、物件を売却してもローン返済ができないリスクがどのくらいあるかを想定&数値化する方法として、「残債で売った場合の利回りは?(以下、“残債利回り”)」という視点を常に持っておくことをお勧めします。
仮に残債で売却が不可だという仮説が立ち、いくら持ち出しになるのかが具体的にわかっていれば、早め早めのリスク対策ができるでしょう。
持ち出し先としては、不動産からの累積インカムや貯蓄・他での運用資金、給料などがあります。そこで補える範囲であれば、最悪ローン返済は可能です。
(もちろん、そうならないように物件購入をするのが一番ですが、リスク管理として。)
残債利回りを出すのに必要な数字は、ローン残高と家賃収入です。
家賃収入については、築年数や立地等にもよりますが、一般的に1年で1%程度の下落想定を基本とし、実際の動向についてポータルサイトや現場の話しを参考にして調整します。
残債利回りが出たら、実際の相場において売却できそうな利回りで割り戻した価格との差額を出します。
実際に数字で考えてみましょう。
価格1億円、表面利回り9%の物件を購入したとします。
ローンは90%、期間25年、金利2.5%の条件で、家賃下落は1年で1%ずつ下落するとします。
表のA、B、Cそれぞれの金額で売れた場合の利回りが、A’、B’、C’です。
3年目、5年目、10年目それぞれで出してみました。
A:残債額
B:残債に売却経費を足した額。経費の大部分は仲介手数料。
C:Bに購入時の自己資金を足した額。
最低でもAの金額で売れればローンは返済できます。
ただ実際には売却時の諸々手数料がかかるので、Bも入れてみました。ここでは暫定的に売却額(残債)の3.4%で計算していますが、金額を抑えることもできなくはないですね。
それぞれの金額で売却した場合の利回りが、今の市場で受け入れられそうかどうかを検証するわけです。
(実際は譲渡益が出る場合税金も考慮する必要がありますが、ここでは省略しています。)
例えば5年目部分。
「5年後にこの立地&築年数で、利回り11%であれば売れるだろう。ただ最悪の事態を想定して12%の場合も考えておこう。」という仮説を立てる。
↓
「利回り12%だと想定売却価格は約7,200万円で、残債7,800万円に600万円足りない・・・」
と、リスクを数字で把握し次にどうすべきかに向けて動きやすくなるでしょう。
表には一部を抜粋して載せていますが、物件ごとに推移表を作成しておけば、随時見直してその時々の市況と照らし合わせるのも簡単です。
ちなみにCは、売却で購入時の自己資金まで賄えるかどうかの判断に使います。
累積キャッシュフローとのバランスもあるかと思いますが、ご参考までに。
仮説ではありますが、最悪の場合を考えた下値を具体的に把握できていれば、資金全体の見通しが立てやすくなります。
相場の下値は、その時々のマーケットによって変わり見積もるのは難しいのですが、目処としてリーマンショック後の2009~2011年頃の利回りを参考にするのもひとつかなと思います。
またこの残債利回りの把握は、リスク管理だけではなく売却のより良いタイミングを逃さないことにも使えるので、今後の投資戦略が立てやすくなるのではないでしょうか。
(HOME'S不動産投資より引用)