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2016年04月02日

不動産投資市場、資産規模30兆円に向け都市の成長力等を強化/国交省

国土交通省は22日、4回目となる「不動産投資市場政策懇談会」(座長:牛島総合法律事務所弁護士・田村 幸太郎氏)を開催。今まで議論を進めてきた内容を踏まえとりまとめた「不動産投資市場の成長戦略~2020年に向けた成長目標と具体的取組(案)」を提示した。

同とりまとめでは、人口減少や少子高齢化の進展、国際的な都市間競争の激化、既存ストックの老朽化など、社会経済状況が大きく変化している中、実需要に応じた不動産ストックの形成・再生・活用推進が必要であるとし、民間資金・ノウハウの活用、多様な投資家の安定的な資産運用に資する投資商品の多様化、金融市場の魅力向上等を図り不動産投資市場の裾野と厚みの拡大が重要であると説明。2020年頃にリート等の資産規模を約30兆円に倍増すると、成長目標を掲げた。

この目標を実現させるため、(1)観光、物流、ヘルスケア等に係るリート市場の機能強化、(2)不動産特定共同事業の充実などによる都市力の向上、(3)地域の空き家・空き店舗等を再生する「ふるさと再生投資」事業のための枠組みの整備、(4)まちなかの遊休資産や公的不動産を有効活用する証券化モデル事業の実施などによる地方の創生、クラウドファンディング等に対応した電子化の推進などの資金供給の担い手の多様化、(5)不動産情報の開発、関連データ等の提供による情報基盤の充実、などを図っていくとした。

各委員からは、「成長目標は、投資家だけのためではなく日本のまちづくりや経済活動の好循環につなげられるものとしてほしい」「都市の活性化が日本全体の強化につながると考える。今後も東京を中心とした都市の競争力向上に注力してほしい」「30兆円という高い目標を達成するには投資適格不動産を増やしていくしかない。それには法制度の利便性向上を図っていくことが必要」「中長期的には、どこまで不動産投資市場は拡大させればいいのか等、最適な規模を整理していくことも必要」といった意見が挙げられた。

同省土地・建設産業局長の谷脇 暁氏は「成長目標に向け、官民が一体となって取り組んでいきたい。ご指摘いただいたことも踏まえ、2020年以降の中長期を見据えた不動産投資市場の成長戦略も検討していきたい」と述べた。

(不動産流通研究所より引用)

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