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2013年10月29日

ニッセイ基礎研究所、不動産投資市況に関するアンケートを実施

ニッセイ基礎研究所は、2013年10月7日から17日にかけて不動産分野の実務家・専門家を対象とする不動産投資市況に関するアンケート(第10回・毎年10月に実施)を行った。

これは、不動産・建設、金融・保険、仲介、不動産管理、不動産ファンド運用、格付、投資顧問・コンサルタントなどの業務に携わる179名を対象に電子メールで実施したもので、90名から回答を得た(回収率50.3%)。

【アンケートの結果(一部抜粋)】
●不動産投資市場の景況感
不動産投資市場全体(物件売買、新規開発、ファンド組成)の現在の景況感について聞いたところ、「やや良い」(53.3%)とする回答が最多で過半数を占めた。さらに、2008年以来ほとんどみられなかった「良い」(38.9%)とする回答も今回は4割近くあった。「やや良い」または「良い」とする回答が全体の9割超を占め、「悪い」や「やや悪い」とする回答はほとんどみられなかった。これは、「悪い」または「やや悪い」とする回答が全体の9割超を占めたリーマンショック後の08、09年の不況時と全く逆である。足元の賃貸オフィス市場などをみると、空室率の高止まりが続くなど依然として弱さが残るものの、不動産投資市場の景況感は08年以降最高水準にある。

●投資対象としてのセクター選好
次に、今後、価格上昇や市場拡大が期待でき魅力的と思われる投資対象(証券化商品含む)について聞いた。昨年に引き続き、「ヘルスケア不動産」(44.4%)と「物流施設」(44.4%)に対する成長期待の高さが目立った。ただし、今回は「ヘルスケア不動産」と「物流施設」が同票で最も多くの回答者に選択された。ヘルスケア不動産は、高齢化の進展に伴う需要の拡大が見込まれ、従来から成長期待の高いセクターであった。特に最近では、ヘルスケアREITが上場を控えるなど、投資対象資産としても注目を集めている。物流セクターも成長期待が高い。インターネットショッピングや通信販売の拡大、物流網見直しによる3PL市場の成長などにより、高機能物流施設に対するニーズが拡大している。しかし、この数年で既に多数の高機能物流施設が開発されており、更なる市場拡大に対する期待はやや薄れつつあるようだ。

●消費税率の引き上げの不動産市場への影響
次に、2014年4月に実施される8%への消費税率引き上げが不動産市場に与える影響について聞いた。「あまり心配していない」(57.8%)とする回答が最も多く、「全く心配していない」(7.8%)とする回答と合わせ、全体の3分の2を占めた。建物価格の引き上げ要因となるため、住宅販売における駆け込み需要の反動などは懸念されるものの、消費税率引き上げが国内景気を急激に減速させ、不動産市場全体に深刻な影響を与えるとの見方は少ないようだ。

●東京オリンピック開催への期待
最後に、7年後の東京オリンピック開催に向けて不動産プレーヤーとして期待することを聞いた。突出して高い支持を得た選択肢はなかったものの、「国際空港アクセスの整備促進(羽田・成田)」(61.1%)、「アジア都市における東京の優位性や地位の向上」(54.4%)、「外国人観光客の増加」(53.3%)の3つの選択肢は、それぞれ回答者の過半数に選択された。これらは全て海外あるいは東京の国際化に関連したもので、外国人の流入やそれに伴う需要拡大に対する高い期待が表れたといえる。

(SUUMOジャーナルより引用)

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